住宅ローンは、誰もが気軽に借りられる商品ではありません。金融機関の定めた基準をもとに審査を行い、それにクリアした方だけが借りられるのです。
本コラムでは、具体的な審査内容や基準についてご紹介します。
どの金融機関でも、住宅ローンの審査は「事前審査(仮審査)」と「本審査」の二段階構成になっています。
事前審査は、購入したい物件を決めたときに実施します。
注文住宅の場合は、工事費用の見積額が確定してから行います。一方、本審査は不動産売買契約を結んだ後に実施されます。
いずれの審査も、金融機関が「この人にお金を貸して大丈夫か?」ということを、独自の基準で判断します。なお、事前審査と本審査では審査項目が異なります。それぞれの審査概要を、以下で紹介しましょう。
事前審査では、ローン契約者の返済能力を確認するのが目的です。
返済能力は収入だけでなく、返済期間、ほかのローン会社での借入状況なども金融機関が細かくチェックします。事前審査に提出を求められる書類は金融機関によっても異なりますが、最低限必要なものは以下の通りです。
・源泉徴収票(個人事業主などは、確定申告書)
・課税証明書または住民税決定通知書(給与所得者)
・健康保険証
・運転免許証、パスポートなど本人確認ができるもの(コピー)
収入については、源泉徴収票または確定申告書でチェックされますが、ほかのローン会社での借入状況については、金融機関の方で滞納履歴なども含めて確認されます。
本審査では、主に担保物件やローン契約者の健康状態を確認するのが目的です。自己破産などで契約者がローン返済をできなくなった場合、家の売却額で返済できるかという観点から、物件の評価を行います。
また、健康状態を確認するのは団体信用生命保険(団信)に加入できるかという観点で確認されます。この保険は、ローン契約者に万が一のことがあった場合、保険でローン残債を返済するというものです。こうしたことから、提出書類は事前審査より多くなります。
・源泉徴収票(個人事業主などは、確定申告書)
・課税証明書または住民税決定通知書(給与所得者)
・健康保険証
・運転免許証、パスポートなど本人確認ができるもの(コピー)
・住民票(家族全員が記載されたもの)
・印鑑証明書
・通帳(預金口座)のコピー
・不動産売買契約書、重要事項説明書
・実印
事前審査と本審査では審査内容が異なります。このため、「事前審査は通過したけど、本審査はダメだった」というケースもありますので、注意しましょう。
また、提出書類は金融機関によっても異なりますので、何が必要かを事前に確認したうえで、スケジュールに余裕を持って申し込みましょう。