和室の落ち着いた雰囲気と現代的な要素を融合した和モダンスタイル。
最近では、空間づくりに使用する畳や梁などを、扱いやすい素材にしたり、洋風に取り入れやすくアレンジされたものも多いのですが、あえて、素材から伝統的なものにこだわってみるのも素敵な考えだと思います。今回は、和モダンを重厚感のある空間に仕上げるためのアイデアとして、製法にこだわった素材や建材を紹介します。
畳は日本の住まいには欠かせない存在として古くから使用されてきた素材です。
現在では、プラスチックや紙を原料にしたベースや、紙でできた畳表なども出回っていますが、できるだけ自然素材を使用した住まいを希望する方には、有機栽培のい草の畳がおすすめです。和室にゴロンと転がった時に香るい草のにおいには、なんともいえない安心感がありませんか。自然素材ならではの感触も気持ちいいですよね。
また、畳にはクッション性や湿度調整、空気を浄化する機能もあります。
和室で長い時間を過ごすことを想定していなかった方も、本格的な畳を取り入れて、和室を存分に堪能してみてはいかがでしょうか。
日本の伝統文化として、海外でも高い評価をされている和紙。
ほっこりとした手ざわりや淡い色味などは、はがきやうちわなどの小物だけではなく、壁紙でも使用することがあります。
伝統的な紙漉きの技術を活かした一枚ずつのものもあれば、家庭で簡単に貼ることができるロールタイプの和紙壁紙も。
和紙の壁紙のある空間は、部屋全体を柔らかな印象にします。
また、電球色の照明との相性も良いので、部屋を温もりある雰囲気に仕上げます。
家屋を解体すると、梁や柱などの解体材がでます。この時にでる古材を再利用した住まいやカフェを見たことはありますか。
一見現代的な建物でも、上を見上げると貫禄のある梁を使っていたりして、趣がありますよね。
また、古民家など日本の伝統的な家屋の梁に使用している木の多くは、天然乾燥させ、木の特性を生かしながら強い強度を持っています。
歴史を刻んだ丈夫な梁を新築に取り入れるのは、古材とはいえ贅沢な感じがしませんか。
再利用することで、産業廃棄物を減らすことになり、エコな一面も。地球環境のことを考えて家を建てたいと考える方にとっても、古材は興味深い建材ではないでしょうか。
伝統素材を取り入れることで、和室がより落ち着いた空間に仕上がります。
自然素材を大切にし、日本の伝統を継承するという意味でも、住まいづくりをする上で考えたい選択肢のひとつですよね。